願いを叶える7日連続のお参りが呼び起こす恐怖と事件
Na2Kaは2025年2月20日に、ネット掲示板に書かれていた7日連続でお参りをすれば願いが叶えられるという言い伝えを実行することで、ある事件と恐怖が襲い掛かってくるホラーウォーキングシミュレーターの「七日参り」をリリース。
一、7日間、途切れることなく参拝を続けること
二、期間中、山を降りないこと
三、誰にも姿を見られないこと
四、闇を覗かないこと
これらを守って人気のない神社へお参りをする。
日が経つごとに恐怖がその姿を現してくる。
あちこちに落ちている手記が、更なる恐怖を導いてくる。


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七日参りの感想・総評(ネタバレ有)
怖いもの知らずの若者が、ネットの掲示板に書かれていた通りの言い伝えを行ったら怖い目みた、のようなシナリオかと思いきや全く違った。
掲示板に書かれている通り、毎日お参りをしていくと、手記が落ちていたり、人の気配がしたり、亡霊のような存在が出てきたりする。
しかし、ただの幽霊系のオチで終わる作品かというとそうではない。
手記を読み進めていくと、「ここ」で何が起こったのか、そして主人公はいったい誰なのかも含めて、謎に頭を抱えていくようになる。
霧がかった林道は雰囲気が怖い。
草木の物音や、明らかに偶然発するわけがない物音も恐ろしい。
そしてジャンプスケア要素もあり、「じわりじわり」だけの恐怖では済まさない。
何となくクリアするだけでも面白いが、しっかりと手記を読み込み、クリア後の要素も見て想像を巡らせ、推理をするのも面白い。
ゲーム性 | |
操作性 | |
難易度 | |
グラフィック | |
恐怖度 | |
総合評価 |
七日参り 考察
このゲームでは、明確な答えというものが用意されているわけではないので、あくまでプレイヤー個人個人が手記を読んで想像していくしかない。

















手記や新聞、告発などから登場人物は「金鹿美咲」、そして彼女を殺害した「サイトウ」、サイトウの「友人」の3名だと推測できる。
新聞で金鹿美咲の父親が出てきているが、事件に関連している様子は見られない。
さて、手記を読んでいるとどことなく違和感を感じた。
「これは手記によって、書いた人物が違うのではないか」という違和感。
ほとんどの手記は「サイトウ」によって書かれているものではないだろうか。
そして一部だけ、「サイトウ」の友人が書いたものだと思われる。
私が「サイトウ」が書いたと考えている手記は、「手記1」「手記2」「手記4」「手記5」「手記6」。
友人が書いたのは「手記3」だと考えている。
「手記1」は殺害した美咲を山に埋める(もしくは井戸に捨てる)ために用意するものをメモしたもの。
それ以外に関しては、内なる自分の心の闇を吐露している文章である。
ただし「手記3」だけは、友人が第三者としてその姿を見ているという書き方だからだ。
「手記3」で誰かを陥れるために奇妙な道具を集めている友人を見ていて、「手記4」ではその道具を使って呪術を行うようなことが記されている。
ゲームの中では、丑の刻参りで五寸釘を打っているような音が聞こえてくるシーンがあった。
まさに「手記4」を表現しているのだろう。
「手記5」では実際に美咲を殺害してしまったような記述がされている。
ただし、夢に違いないと思い込んではいるが。
「手記6」で赤い作業着に身を包んで、美咲の遺体を処理し、それが終わって安堵している様子が伺える。
人間関係をまとめると、「告発」で金鹿美咲のことを、「美咲」と書いていることから、3人が3人とも顔見知りどころかある程度深い関係であることが推測できる。
その深い関係だからこそ、何かしらのきっかけで憎悪が深くなったのだろうと思われる。
ただ、まだ違和感がある。
「手記4」で垣間見る恐ろしいほどの憎しみ。
そして、その相手に対して永続的な苦しみを与えたいという願望が見られる。
そのため「サイトウ」が心底憎んでいたのは「美咲」ではなく「友人」ではないだろうか。
「友人」を殺害してしまえば、与える苦しみが途絶えてしまうからだ。
「友人」を苦しめる最大の方法が、例えば「美咲」を殺害することだったとしたら?
そう推理するとシナリオが見えてくる。
「友人」と「美咲」は、あるときから恋人関係となった。
つまり「友人」は男性であった。
「友人」に限りない憎しみを抱く「サイトウ」は同じく男性であり、「美咲」のことを同じく愛していたのかもしれない。
ただそう考えると、「手記3」は友人が書いたものではなく、「美咲」が書いたものなのかもしれない。