リミナル空間としての“プール・ルーム”を歩く恐怖
Tensoriは2024年4月26日に、TensoriとUNIKAT Labelが開発した、リミナル空間(liminal spaces)と呼ばれる、現実と非現実の境界を感じさせる空間美学をベースにデザインされた探索型ホラー体験ができるウォーキングシミュレーターの「POOLS」をリリース。
世界観・コンセプト
“Poolrooms(プールルーム)” や “Backrooms Pools(後室のプール)” といったインターネット上で語られるコンセプトが本作のモチーフとなっており、プール空間を舞台にした異界感が強い演出とされています。
部屋を進むごとに空間が変わる、不思議な構造体が現れるといった演出があり、「探索するほど世界がねじれる」感覚を与える試みがなされています。


ゲームプレイと体験設計
歩く・泳ぐ・迷路:恐怖ではなく違和感を探す旅
基本操作と制限
プレイヤーはまず「歩く(Walk)」という行動が中心。水の中を進む際は速度が落ちる設計で、水中移動には緩慢さと重さを感じさせます。
ユーザーインターフェース(UI)は一切排除されており、対話や文字表現も存在しません。
すべては視覚と環境音で語られる設計です。
音は非常に重要な役割を担っており、反響、エコー、空間ごとの残響などが変化することで、プレイヤーにその場の「存在感」を感じさせます。
章構成と探索の進行
本作は 6 章(six unique chapters) 構成が基本ですが、後に追加要素として Chapter 0 が無償でリリースされています。
各章は 10〜30分程度でクリア可能とされ、章ごとに異なるテーマや空間の変化が設計されています。
探索中に迷路のような構造に迷い込むこともあり、プレイヤーは視覚的な手がかり(床に残る水滴跡など)を頼りに進むことも多くなる設計です。
脅威ではなく“未知”を感じさせる演出
本作にはモンスターや敵キャラクターは存在せず、ジャンプスケアも設計上ほとんどありません。
ただし、空間の歪み、視覚的ノイズ、暗がりの不安、狭い通路、予期せぬ物体の出現といった“心理的不安”を与える演出が随所に用意されています。


POOLSの考察・感想(ネタバレ有)
何の説明もなく突然妙な空間からスタートする。
タイルとプールと迷宮を彷徨い歩いてゴールを目指していく。
ゴールがどこなのかもよくわからない。
だだっ広い空間をただただ歩いて、プールの中を移動していくのみ。
敵キャラは存在せず、ジャンプスケアはない、というゲーム性らしい。
ただ明らかに不気味な存在がいることは確か。
生身の手が見えたりすることもある。
また、自分とは違う足音が聞こえたり、機械音みたいなものが鳴り響いたりする。
そして、場面はプールだけではなく、サウナや住宅街みたいな空間も存在している。
閉鎖的な空間の違和感だけでなく、広い空間でもシュールな違和感を感じさせる。
それを恐怖感と表現するには直接的ではない妙な感覚だ。
この空間を誰が何のために作ったのかはよくわからない。
エンディングによって、「フィクションの中のフィクション」であることはわかった。
「何が何だかわからないが、閉鎖的な恐怖や、空間やオブジェのシュールな違和感を楽しみたい」人には良い作品だろう。






POOLSの総評
| ゲーム性 | |
| 操作性 | |
| 難易度 | |
| グラフィック | |
| 恐怖度 | |
| 総合評価 |
POOLSの攻略動画・実況動画
ジャック・オ・蘭たん
レトルト
POOLS 作品情報
| タイトル | POOLS |
| 発売日 | 2024年4月26日 |
| 開発 | Tensori |
| 販売 | Tensori / UNIKAT Label |
| ジャンル | ウォーキングシミュレーター / ミステリー / アドベンチャー |
| プラットフォーム | PC(Steam) |
| 公式サイト | POOLS |
| 公式X | X |
| 公式YouTube | Tensori |


