だんだん壊れていく男子高校生の世界を味わうホラー
riinwinは2025年5月16日に、男子高校生の桜井聡太の世界が崩壊していく精神的恐怖を味わえる物語重視の心理的ホラーゲームの「??がつくった映画館」をリリース。
母子家庭の高校生”桜井聡太”の日常生活を追体験するゲームだ。
高校生活や家庭内の生活がアドベンチャーゲーム、ウォーキングシミュレーターゲームとして展開していくホラーゲームだ。
初日から異変が生じ始め、日を追うごとに自宅で、学校で恐怖に襲われ始める。
??がつくった映画館の攻略動画
サンキュームービー
キャシーさんはホラーゲームで遊びたい
??がつくった映画館の考察・感想・総評(ネタバレ有)
学校パート、自宅パートと分かれているウォーキングシミュレーター。
それぞれ探索範囲は広くないので、何かに詰まるということはない。
初日から自宅で異変が生じ始める。
どうやら同世代の制服を着た女の子の霊らしき存在が現れ始める。
明らかに生身の人間ではない。
加えて、自分の部屋の壁に血の染みができたり、手形が無数に付いたり、血糊が四方八方に飛び散ったりと、恐ろしい空間になっていく。
普通の感覚の人間なら、母親に助けを求めたりするわけだが、主人公の桜井聡太はそんな状況の中で普通に勉強をしたりする。
しかも、思いっきり文字化けしたテキストを見ても、動揺をすることなく淡々と勉強をしている。
この時点で、主人公の精神状況が正常でないことがわかる。




最初にプレイをすると、主人公の「桜井聡太」が自殺するまでの物語を、死んでしまった桜井聡太が自分自身を映画館の中で物語として観るというストーリー展開。
開発しているriinwinが以前リリースした異変探しゲーム「ミスター9」を彷彿とさせる、if分岐の物語がクリア後に展開されていく。
ifの世界で、このゲームの世界観も一変する。
死後の世界で死者が訪れる映画館。
輪廻転生。
死亡した人たちに、ifの世界で幸福な人生の自分自身を見ることで、改めて新たな人生を現生で歩みたいと思わせる。
主人公に映画を見せた人物はそれを「映画コンサルタント」と呼んでいる。
主人公は現世に戻るつもりはないが、謝りたい人と死後に会いたいということで、その仕事を手伝い始める。
多くの人の人生に触れて心の変化がありながら、ついに母親が映画館にやってくる。
隠しエンドはやり直した人生のものなのか、ifの延長上のものなのかはわからない。
ただ、ゲームの仕様としてifを選択するような感じで、新たな物語を進めていくのではなく、本編のストーリーで「あること」をすることで到達ができるので、時系列をすっ飛ばしてハッピーエンドに到達させたということかもしれない。
ただ、現生に戻って「その選択」を採ったということもあるかもしれない。
最初のストーリーはホラー要素をぎゅうぎゅうに詰め込んだ形。
心霊的な要素もあって、突然の出現や音でも怖がらせて、精神的に不安定になっていく様を見せつけてくる。
しかし、ifでは明るいポップな印象と感動を呼び起こし、隠しエンドで大団円を迎える。
一連のパッケージが素晴らしい。
ゲームを通して考えさせられることも多い。
学生の頃から競争に晒されて、社会人になれば「点数」ではない抽象的で理不尽な物差しで測られることも多い。
「こうでなければならない」「他人から良く思われたい」「期待に応えたい」「嫌われたくない」
それは他人から与えられる重圧だけではなく、自分が自分自身に与える重圧で、それに心が疲弊していく。
そんな有様を表現したゲームだった。


ところで、序盤に出ていた女性の幽霊は何者・・・?

ゲーム性 | |
操作性 | |
難易度 | |
グラフィック | |
恐怖度 | |
総合評価 |
??がつくった映画館 作品情報
タイトル | ??がつくった映画館 |
発売日 | 2025年5月16日 |
開発 | riinwin |
販売 | riinwin |
ジャンル | ホラー / アドベンチャー / ウォーキングシミュレーター |
プラットフォーム | PC(Steam) |
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公式YouTube | riinwin_ゲーム配信チャンネル |